2025.06.17
第2話|答えの先にある世界 ~数学が“できるようになる”って、こういうことだったんだ~
第2話|答えの先にある世界
~数学が“できるようになる”って、こういうことだったんだ~
「なんでこんな勉強しなきゃいけないの?」
「この問題、いつ使うの?」
「将来、連立方程式を解く仕事なんてないでしょ?」
中2の夏、僕は本気でそう思っていた。
テスト前はノートとワークに埋もれて、頭が真っ白。
覚えたはずの公式も、いざ問題になると使い方がわからない。
“なんとなく計算して、なんとなく間違う”——それが僕の数学だった。
ある日、数学の授業中に…
数学の先生が授業のはじめにこんな話をした。
「数学って、ただの計算の教科じゃない。
“問題をどう解くか”を考える、頭のトレーニングなんだ」
僕は「ふーん」と思ったけど、正直ピンとこなかった。
でも、その日出された課題で、僕の考えがガラッと変わる。
✏️ ある日出された“ひとひねり”問題
授業で扱ったのは、こんな問題。
問題:
あるクラスの生徒数は30人です。男子の人数は女子の人数の2倍でした。
このとき、男子と女子の人数はそれぞれ何人ですか?
「え? 式にすればいいんだよね?」
いつもだったら“とにかく式を立てる”けど、今回はちょっと違った。
「女子の人数をxとすると…男子は2x…全体はx + 2x = 3x = 30…」
「じゃあ、x = 10 だから…女子は10人、男子は20人!」
ここまでたどり着いたとき、初めて「意味がわかる」感覚があった。
今までは“暗記した公式”を使っていたけど、この問題は「式を作る意味」があった。
そして何より、「解けた」ことがうれしかった。
それも、自分の頭で考えてたどり着けたことが。
🧠 数学は「正解を出す」だけじゃない
その日から、僕は数学の勉強の見方を変えた。
数学って「正しい答えを出すこと」がゴールだと思っていた。
でも本当は、「どうすれば正解にたどりつけるか」を考える力——
つまり、問題解決能力や論理的思考力を育てるものだったんだ。
📌 具体的に変えた勉強方法
ここからは、僕が実際にやって効果を感じた「数学ができるようになる勉強法」を紹介するよ。
✅ ステップ1:解き方より「考え方」を大切にする
例題をただ解くのではなく、
**「なぜこの公式を使ったのか」**を毎回振り返る。
「なぜその式になるのか?」と自分に問い直すクセをつけた。
✅ ステップ2:間違えた問題を“分析”するノートをつくる
「できた問題」より、「できなかった問題」に宝がある。
ミスの原因を分類して、次につなげる。
- 計算ミス?
- 式の立て方を間違えた?
- 問題文の読み違い?
これを毎回記録しておくだけで、似た問題でのミスが減っていった。
✅ ステップ3:簡単な例で“イメージ”する
たとえば関数が苦手だった僕は、
「y = 2x + 1」を「ジュース1本100円、もう1本買うと200円、でもクーポンで-100円」みたいに
身近な例に置き換えることで理解しやすくなった。
- 【比例】→ 「バイト時間 × 時給」と考える
- 【一次関数】→ 「スマホの月額料金プラン」「基本料金が1000円で、1GB使うごとに追加で300円かかる」
抽象的な数式も、日常のイメージと結びつけるとわかりやすくなる。
📚 苦手でも、少しずつ「好き」に変わる瞬間がある
僕はもともと数学が大の苦手だった。
公式を覚えても、計算しても、点数につながらなかった。
でもあるとき「解けた!」「わかった!」という成功体験ができたことで、
少しずつ“嫌い”が“苦手”になり、“苦手”が“普通”になり、そして“ちょっと好き”になった。
数学って、面白い。
正解があるって、気持ちいい。
わからなかったものがわかるって、こんなに嬉しいんだ。
✨ 数学で身につく“力”は一生モノ
- 問題を整理し、順序立てて考える力
- 条件を読み取り、必要な情報だけを抜き出す力
- 答えにたどり着くためにあきらめない粘り強さ
これって、将来どんな仕事についたって、どんな場面でも役に立つ。
「なぜこんな勉強をするの?」という疑問は、
「こういう力を育ててるから」という答えに変わった。
✅ 今日からできる数学勉強法(まとめ)
- 公式の意味を“言葉で説明”できるようにする
- 「なぜそうなるのか」を考えるクセをつける
- ミスを放置せず、“原因分析ノート”で弱点克服
- 日常の例と結びつけて数式をイメージする
- 解けた問題は「どうやって解いたか」を声に出して説明してみる
🎯 まとめ|数学は「自分の頭で考える力」を育ててくれる教科
数学は、暗記するだけじゃ伸びない教科。
でも“やり方”を変えるだけで、グンと成績が上がることがある。
そして何より、「自分の力で解けた!」という体験が、勉強の一番のモチベーションになる。
僕みたいに「苦手だからやらない」と思っていた人にこそ、
ぜひ一度、考え方を変えてチャレンジしてほしい。
数学は、できるようになると、ちょっとカッコいい。
そして、ちょっと好きになれる。