2025.06.19
第4話|「理科が好きになる日」~身の回りのフシギに気づいたあの瞬間~
第4話|「理科が好きになる日」~身の回りのフシギに気づいたあの瞬間~
🌱 「理科って、覚えるだけの教科でしょ?」と思っていた
私はずっと、理科は暗記教科だと思っていました。
植物の名前を覚えて、化学式を暗記して、気圧とか温度とか、公式を詰め込むだけのテスト対策。
そんな“おもしろくない勉強”が、理科のイメージ。
でも、ある日ふとした自由研究がきっかけで、
**「あれ? 理科って、ちょっと楽しいかも」**と思えるようになったのです。
🧊 自由研究のテーマは「氷の溶け方の違い」
夏休みの自由研究。私は「氷がどんな条件で早く溶けるのか」を調べることにしました。
きっかけは、お母さんが「クーラーボックスの氷、すぐ溶けちゃう」とぼやいた一言。
調べたのは以下のパターン:
- ① 太陽の光に当てた氷
- ② 扇風機の風を当てた氷
- ③ 黒い紙で包んだ氷
- ④ 透明のビニール袋に入れた氷
- ⑤ 同じ室温の中に何もしないで置いた氷(比較用)
🔍 実験結果と「気づき」
やってみると、黒い紙で包んだ氷が1番早く溶けたんです。
「黒いものは光を吸収しやすい」って、授業で習ったけど、
実際に見てみるとその違いにびっくり!
そして、「風が当たると熱が早く伝わる」とか、「光が強いと温まりやすい」とか、
身近なことが“理科”で説明できることに気づき始めました。
🌎 身の回りは“理科”でできている
そこから私は、ちょっとだけ“理科の目”で毎日を見てみることにしました。
☔ 雨の日の傘についた水滴
→ 水がつぶの形になるのは「表面張力」という力のせい。水分子同士が引っ張り合ってるから。
🥚 卵を冷水に入れたら殻がむきやすい
→ 「熱膨張」と「急激な冷却」で卵の中と殻が離れやすくなるから。
🌫 お風呂場の鏡がくもる
→ 空気中の水蒸気が冷たい鏡に触れて“水滴”になる。「凝結」という現象。
🚲 自転車のブレーキをかけたときの“音”
→ 金属とゴムがこすれて「摩擦熱」+「振動」が音になる。
🌳 木の葉っぱが濡れると暗く見える
→ 表面が濡れて“光の反射の仕方”が変わるから。光が散乱しにくくなるんです。
こうやって毎日の中に理科があると気づいたとき、
私は初めて「理科って、おもしろいな」って思ったんです。
👀 “感じる”ことが、学びのはじまりだった
教科書の中ではわからなかったことが、
日常のちょっとした出来事で「なるほど!」につながっていく。
「理科=テストのための暗記」だった頃には、絶対見つけられなかった“学びの入り口”。
ふと思いました。
「理科がわかるって、世界のルールがわかるってことなんだ」
🎒 学校の勉強も、実はつながっていた
たとえば、1年生のときにやった「光と音」の単元。
黒い紙が光を吸収して氷を早く溶かしたのも、
お風呂の鏡がくもるのも、
太陽の光が地面を温めるのも――
実は全部、「光の性質」や「熱の移動」と関係していたことに気づきました。
学校で学ぶ知識が、**自分の体験とつながった瞬間、理科が“生きている学び”**になったんです。
✨ 「理科って、面白い」って思えるきっかけは案外すぐそこにある
理科って、最初から得意じゃなくていい。
完璧に用語を覚えられなくても、
テストで満点を取れなくても大丈夫。
大事なのは、「あれ? なんでだろう?」と感じること。
そしてちょっとだけ調べてみること。
それだけで、理科はぐんと楽しくなる。
📘 まとめ|世界の“フシギ”に気づいた日が、私の理科のスタートだった
実験は大がかりな道具がなくてもできるし、
身の回りのことを観察するだけでも、新しい発見がある。
今まで見えていなかった日常の“しくみ”が、
一つずつわかっていくのって、本当にワクワクするんです。
「理科って、私たちのすぐそばにある」
それに気づけた私は、たぶんもう、理科を嫌いになることはありません。




























