2025.06.20
第5話|「社会って、今とつながってる」~地図の外にあった、自分の興味~
第5話|「社会って、今とつながってる」~地図の外にあった、自分の興味~
🧠 社会=ただの暗記科目だと思っていた
僕は、社会が苦手だった。
というより、“興味がなかった”というほうが正しい。
地名や年号を覚えるのは退屈で、「これは何の意味があるんだろう?」といつも思っていた。
とにかく“テストに出るから”という理由だけで、ひたすら赤シートで隠して覚えるだけ。
そんな僕に転機が訪れたのは、2年の社会で「地理」を学んでいたある日のことだった。
🗺 「世界って、どんなふうにできてるんだろう?」
その日は、先生が地図帳を使って世界の国々を紹介する授業だった。
だけど、いつもと違ったのは――
「今日は、自分が行ってみたい国を調べてみよう」
そう言われて、初めて“自分で地図をめくる”という行動をした。
僕が選んだのは、サウジアラビア。
なぜかというと、父が出張でよくその名前を口にしていたから。
調べていくと、「原油の産出量が世界トップクラス」「砂漠の気候」「イスラム教の文化」――
まるで知らなかった世界が、教科書の文字から飛び出してきたように感じた。
💬 ちょっとしたきっかけで、ニュースが“自分ごと”に
ある日、家のテレビで「原油価格の高騰」というニュースが流れていた。
以前の自分だったら、聞き流して終わっていた。
でも今は違った。
「あ、サウジアラビアのことだ」
「これって、あの国が関係してるのかも」って。
ちょっとでも自分が調べた国とつながるだけで、ニュースの“温度”が変わった。
無関心だった僕が、いつのまにか“興味”を持っていた。
🏯 歴史の授業も「リアル」に変わった日
歴史も、正直言ってずっと苦手だった。
でも、3年生になって「明治時代」について学んだとき、
僕の地元にある古い橋が“明治初期に作られたもの”だと知って驚いた。
「え、そんな昔からあったの?」
「じゃあ、あのときの人もこの橋を歩いてたの?」
一気に想像が広がった。
昔の話じゃなくて、“この町の話”だと気づいた瞬間、
歴史が一気に“他人ごと”から“自分ごと”に変わっていった。
🌏 社会は、「今を知る力」になる
ある時、先生が言った。
「社会って、今を生きるための勉強なんだよ」
地理で“世界とつながる感覚”を知って、
歴史で“自分の町の過去”を感じて、
公民で“これからの社会の仕組み”を学ぶ――
全部が、“今”をよりよく生きるためのツールなんだって思った。
✅ 社会が“得意”になる、たったひとつのコツ
それは、**「自分との接点を見つけること」**だ。
・家族が話してた国や事件
・旅行で行った町の歴史
・ニュースで耳にしたキーワード
どこかに、自分がちょっとでも「知ってる」と思えることがあるだけで、
社会は急に、グッと近くなる。
📘 まとめ|「社会」は、自分の世界を広げてくれる
昔はただの暗記だった社会が、
今では、世界を知る“入り口”になった。
「自分の住む国がどんな歴史を歩んできたか」
「世界がどうつながって動いているのか」
「これからどうなっていくのか」
それを知ることで、自分の“これから”の見え方がちょっと変わる気がする。