2025.06.23
【第1話】勉強嫌いの理由は?日常に学びを取り入れるコツ
【第1話】勉強嫌いの理由は?日常に学びを取り入れるコツ
~“勉強しなさい”がなくなる家庭のつくり方~
■ このシリーズについて
この連載は、全5話でお届けする“学習習慣の変化”を描くストーリーです。
小学4年生の陽菜(ひな)と母・美咲さんが、家庭でのちょっとした工夫によって、少しずつ「勉強嫌い」から「学びに向かう習慣」へと変わっていく様子を追っていきます。
- 第1話:勉強嫌いの理由は?日常に学びを取り入れるコツ ← 今回のお話
- 第2話:朝・夜・週末…生活リズムと学力の深い関係
- 第3話:成績が伸びる子はやっている。振り返り習慣のススメ
- 第4話:家庭でできる「学習習慣づくり」3ステップ
- 第5話:親子でつくる「できる子の未来」への習慣設計
陽菜(ひな)は小学4年生。最近、母親の美咲さんは、ひなが宿題を始めるまでの“時間稼ぎ”に頭を抱えていた。
「先にYouTube見てから」 「今日は疲れてるから…」
ようやく机に向かっても、鉛筆を回しながらため息。ノートには一行も書かれていない。
「なんでうちの子は、こんなに勉強を嫌がるんだろう…」
そんなある日、公園でのママ友との会話で転機が訪れた。
「うちはね、毎日夕ごはんの時に『今日学校でおもしろかったこと』を話すのよ。最初は無言だったけど、少しずつ話すようになって、勉強の話題も自然と出るようになってきたの」
と、勉強が得意なお子さんを持つママがぽろりと話したのだ。
「そんな簡単なことで?」と半信半疑だった美咲さん。
でも試してみようと、その日の夕食から「今日は学校で何かおもしろいことあった?」と陽菜に聞いてみた。
最初は「べつに…」という反応だったが、数日後──思わぬ変化が現れ始める。
◆勉強を“特別なこと”にしないための第一歩
「今日ね、図工の時間に木を彫ったんだけど、難しかったけど楽しかった!」
ある日、陽菜がそう話し始めた。美咲さんは驚いた。こんなふうに学校のことを自分から話すなんて、いつ以来だろう。
「へぇ、どんな形にしたの?」「それって道具も使ったの?」
話は自然に広がっていく。美咲さんは気づいた。
“これはもう立派な学びだ”
宿題やドリルでは得られない、生きた学びが食卓にあった。
◆変わりはじめた家庭の空気
会話が増えたことで、陽菜が机に向かう時間も少しずつ変わっていった。
ある日、夕飯のあとに自分から「ちょっと漢字ドリルやってから遊ぶね」と言い出したのだ。
「なにかが動き出してる」
そう感じた美咲さんは、無理に勉強させるのではなく、毎日の生活の中に“学びの雰囲気”をしみ込ませるように意識し始めた。
「勉強しなさい」と言わなくても、陽菜は少しずつ学ぶことに前向きになってきていた。
◆家庭でできる3つの“学びの仕掛け”
- 毎日の食事の中で、学校の話題を自然に聞く
- 子どもの興味にリアクションして、会話を広げる
- 勉強を“やらされること”ではなく、“日常の延長”にする
美咲さんは思う。「勉強って、もっと身近でよかったんだ」
◆次回予告:第2話「朝・夜・週末…生活リズムと学力の深い関係」
「勉強のやる気が出る時間帯って、実は決まってるの?」
陽菜が少しずつ机に向かうようになったある日、美咲さんはふと気づく。「集中できてるとき」と「まったくダメなとき」の違いって何?
次回は、“学習する時間帯”に注目したエピソード。
陽菜の1日の過ごし方に、小さな変化が訪れます。