2025.06.26
【第4話】家庭でできる「学習習慣づくり」3ステップ
【第4話】家庭でできる「学習習慣づくり」3ステップ
~“やる気に頼らず続ける子”になるために~
■ このシリーズについて
この連載は、全5話でお届けする“学習習慣の変化”を描くストーリーです。
小学4年生の陽菜(ひな)と母・美咲さんが、家庭でのちょっとした工夫によって、少しずつ「勉強嫌い」から「学びに向かう習慣」へと変わっていく様子を追っていきます。
- 第1話:勉強嫌いの理由は?日常に学びを取り入れるコツ
- 第2話:朝・夜・週末…生活リズムと学力の深い関係
- 第3話:成績が伸びる子はやっている。振り返り習慣のススメ
- 第4話:家庭でできる「学習習慣づくり」3ステップ ← 今回のお話
- 第5話:親子でつくる「できる子の未来」への習慣設計
振り返りメモを始めて2週間。陽菜は以前よりずっと、学びに向き合えるようになってきた。
でも、美咲さんには新たな悩みがあった。
「調子がいい日は自分からやるけど、気分が乗らない日はやっぱりやらない…」
「やる気」に波があることを実感した美咲さんは、もっと“自然に続けられる仕組み”をつくる必要があると感じ始めていた。
◆ステップ①「行動を小さく分けてハードルを下げる」
やる気が出ない日でもできるようにするには、“一歩目”のハードルを下げることがカギ。
美咲さんは、陽菜の勉強メニューを「細かく分ける」ことにした。
- 算数プリント → 「問題1〜3」だけでOK
- 漢字練習 → 「3文字だけ」でもOK
- 振り返り → 「1行」だけでもOK
すると陽菜は、「それくらいならやってみようかな」と言って机に向かうようになった。
「やる気」がなくても、「動き出せる」。それが習慣化の第一歩。
◆ステップ②「やったことが目に見える仕組みを作る」
次に美咲さんが取り入れたのが、“見える化”。
100円ショップで買ったカレンダーに、勉強をした日には好きなシールを貼るだけの簡単な方法だ。
「今日は何シールにする?」「星がいい!」
シールが少しずつ増えていくカレンダーを眺めながら、陽菜は満足そうに言った。
「私、けっこう続いてるかも」
自分で続けているという実感は、子どもにとって大きな自己肯定感につながる。
◆ステップ③「親子で“終わりの時間”を決めておく」
もうひとつ、大切なのが“終わりの時間”を決めること。
「もっとやった方がいいんじゃない?」と思っても、美咲さんはグッとこらえて、陽菜と一緒に決めた“15分だけ”を守るようにした。
理由はひとつ。「もっとやれたのに」で終わった方が、次回も前向きになれるから。
「もうちょっとやりたかったのに!」という気持ちが、次の学習への意欲を生む。
◆家庭でできる!学習習慣づくりの3ステップまとめ
- 勉強の量を細かく分けて、小さく始める
- 学習の記録を“見える形”で残す(カレンダー・シールなど)
- “やりすぎない”ことで前向きな余白を残す
学習習慣とは、「やる気がある日だけやること」ではありません。「やる気がなくても、自然と始められる仕組み」こそが、本当の習慣です。
陽菜のように、少しずつ「やるのが当たり前」に変わっていく家庭には、無理のないステップと、親子の信頼が育まれていました。
◆次回予告:第5話「親子でつくる『できる子の未来』への習慣設計」
いよいよ最終話。学び続ける子になるには、どんな家庭環境が必要なのか?
“継続できる家庭”には共通点がありました。
陽菜と美咲さん親子がたどり着いた“わが家らしい学びのかたち”とは?
次回、未来につながる「学びの設計図」をお届けします。