2025.07.22
【1日目】「お金の感覚」を育てる家庭の工夫 〜数字に強い子は“買い物”で育つ!?〜
【1日目】「お金の感覚」を育てる家庭の工夫
〜数字に強い子は“買い物”で育つ!?〜
◆このシリーズについて
このブログシリーズは、小学校低学年の子どもたちに向けて、将来の「算数力」「論理力」の土台となる“感覚”を育てるヒントを、全3回にわたってお届けします。
日常生活の中で、自然と数字や図形に親しめるようになるにはどうすればいいのか?
1日目の今回は「お金の感覚」について。おつかい遊びやお小遣い体験から、子どもたちは何を学べるのでしょうか?
◆第1回のテーマ:お金の感覚=「数のまとまり」と「価値を考える力」
「10円玉が5枚で50円」「100円玉を2枚で200円」
私たち大人には当たり前のことも、子どもにとっては“未知の世界”。
計算ドリルで学ぶ前に、「数がまとまるとはどういうことか」「同じ金額でも硬貨が違えば感覚が違う」——そんな“数のリアル”を体験することで、算数の土台が作られていきます。
◆【実話ストーリー】「100円で何が買える?」から始まったお金の会話
小学2年生のりんたろうくんは、ある日お母さんにこう言いました。
「ねぇ、100円って、どれくらいすごいの?」
お母さんは、りんたろうくんに100円玉を1枚渡し、「この100円で、お店で1つだけ好きな物を買ってきてごらん」と言いました。
近所のスーパーにはお菓子がずらり。ラムネ、チョコ、ガム、そして“2個入り”のお菓子まで。
迷いに迷って選んだのは「80円のチョコレート」。
「100円あるけど、20円は使わないでおく。今度、もう1回使えるように」
この言葉を聞いたお母さんは驚きました。
お金の感覚=“数の価値”を、体験の中で自然に学び取っていたのです。
◆家庭でできる「お金の感覚」を育てる3つの工夫
① お店ごっこで“10のまとまり”を体験する
お菓子や文房具などを家の中で並べ、100円・10円・1円の硬貨に見立てて買い物体験を。
【学べること】
- 「10円玉が10枚で100円」など、10進法の感覚
- お釣りを計算することで引き算や数の逆算
- 硬貨の大きさ・色・重さによる視覚的な数の理解
② おこづかいを“固定制”で渡して、数のやりくりを促す
例えば「1週間に100円」と決めて渡すことで、計画的に使う力が育ちます。
【学べること】
- 今すぐ使うか、来週のために残すかなどの判断力
- 「残金いくら?」と数を頭の中で扱う暗算力・比較力
- 金額に応じて優先順位を考える論理的思考
③ おつかいで「実際に使ってみる」経験をさせる
買い物メモと100円玉を持たせて、「これだけ買ってきてね」とお願いする。
【学べること】
- 「○円の商品を買うには何円必要か?」という数の先読み力
- レシートを見ながら「本当に合ってる?」という検証力
- 緊張と成功体験を通じた数の実用感覚
◆よくある保護者の誤解
「お金って、まだ早いんじゃない?」
そんな声もよく聞きます。
しかし、早い段階で“お金=数字が使われているもの”と実感できると、子どもは「計算」や「価値の比較」に強くなります。
ポイントは「金額の大きさ」ではなく「体験の意味」。
まずは10円玉1枚でもいいのです。
◆保護者ができる“ちょい足し声かけ”
日常生活で、こんな声かけをしてみてください。
- 「このお菓子、100円で2個入りだね。1個何円くらいかな?」
- 「200円持ってたら、これ何個買えると思う?」
- 「50円で買って、100円払ったらおつりはいくら?」
“数の会話”は、正解を出させることではなく、「考える時間を与える」ことが目的です。
◆まとめ:数字に強い子は「実生活」で育つ
お金の感覚は、単なる計算力ではありません。
- どれくらいの価値があるのか?
- 今とあと、どちらを選ぶ?
- 同じ金額で、どう使う?
こうした感覚を体験することで、子どもの頭の中には“数字の世界”が広がっていきます。
明日のテーマは、「時計と時間感覚」。
「5分ってどれくらい?」「1時間って長い? 短い?」
そんな素朴な疑問が、学びの入り口になるかもしれません。
次回もぜひお楽しみに!




























