2025.07.24
【3日目】図形と空間認識力を育てる家庭のヒント 〜「見て、触れて、考える」図形は遊びの中にある〜
【3日目】図形と空間認識力を育てる家庭のヒント
〜「見て、触れて、考える」図形は遊びの中にある〜
◆このシリーズについて(最終日)
このブログシリーズは、小学校低学年の子どもたちに向けて、将来の「算数力」「論理力」の土台となる“感覚”を育てるヒントを、全3回にわたってお届けしてきました。
- 1日目:お金の感覚(数のまとまり・価値の理解)
- 2日目:時計と時間感覚(単位・構造・見える化)
- 3日目:図形と空間認識(形の操作・空間把握) ← 今回
最終日のテーマは「図形と空間の認識力」。三角形、四角形、立方体、展開図……こうした概念に強くなる子どもには、幼少期からの“ある体験”が共通しています。
◆【実話ストーリー】「三角形って、どこが三角?」
小学1年生のももかちゃんは、おりがみで折った帽子を見てこう聞きました。
「ねえ、これって三角形?でも、下はまっすぐじゃないよ?」
そのときお父さんは言いました。
「じゃあ、形をひっくり返してごらん。横から見るとどうなってる?」
形の見方が変わった瞬間、ももかちゃんは「あ!ここが三角か!」と発見したように笑顔に。
この一瞬のやりとりが、“図形を見る目”を育てる原点になるのです。
◆空間認識が伸びると、どんな力につながる?
- 立体や展開図の理解が深まる(算数の応用)
- 「見て、頭の中で動かす」能力が育つ(思考の柔軟性)
- 視覚的な情報整理力がつく(図表・資料の読み解き)
空間認識は、将来的に理科や地図、図解資料の理解にも直結します。
◆家庭でできる「空間認識力」を育てる3つの工夫
① パズルやブロック遊びで“組み立てと分解”を体験
LEGOや積み木、タングラムなどの遊びがベスト。
【ポイント】
- 「この形、どうやってできてる?」
- 「バラバラにしたら、何個のパーツになる?」
遊びながら“図形を分ける・合成する”体験を重ねると、空間のイメージ力が育ちます。
② 折り紙や工作で“形をつくる手の感覚”を養う
ハサミやのりを使った制作活動は、指先から脳を刺激します。
【ポイント】
- 「正方形の紙を三角に折るとどうなる?」
- 「これを開いたらどんな形になるかな?」
展開図や対称性の理解の基礎にもなります。
③ 身の回りの「形さがしゲーム」で観察力アップ
日常の中で「形」に注目するだけで、学びのきっかけに。
【ポイント】
- 「冷蔵庫の側面、何の形に見える?」
- 「このおにぎり、何の形に似てる?」
- 「家の中に三角形を3つ探してみよう」
身近な形に気づく力=“図形の視点”を育てる第一歩です。
◆よくある保護者の疑問
「うちの子、図形が苦手で…遺伝かな?」
そんなふうに悩む方も多いですが、図形は“感覚”で育つ分野です。
特に低学年のうちは、鉛筆やノートより“手と目と体”を使った学びが効果的。
親子で一緒に遊びながら、「形っておもしろいね」と感じることが最初の一歩になります。
◆保護者ができる“ちょい足し声かけ”
- 「この形、折り紙で作れるかな?」
- 「上から見ると四角だけど、横からはどう見える?」
- 「同じ形で、他にどんなものがあるかな?」
声かけで“視点を変える”きっかけを与えることで、思考の幅も広がっていきます。
◆まとめ:「図形感覚」は遊びの中でこそ育つ
図形や空間の力は、数式だけでは育ちません。
- 見る → 想像する → 手を動かす
- 「別の角度で考える」ことを楽しむ
- 「形で遊ぶ」ことを通して法則に気づく
こうした“図形の感覚”は、小学校高学年・中学以降の図形問題に必ず役立ちます。
全3日間のシリーズ、いかがでしたか?
どれも特別な教材は必要なく、今日から家庭で始められる内容ばかりです。
数字・時間・形。
どれも日常の中にあふれていて、ちょっと意識を変えるだけで、子どもたちの”学びの芽”になります。
ぜひ、日々の生活に“ちょい足し学び”を取り入れてみてください!




























